私の所属する“ふわくハイキングサークル”は例年の行事として、ジャブジャブハイキングを計画し、実践している。
その名の通り、沢の中をじゃぶじゃぶと歩く、沢のハイキングだ。今年は第一回を志組川渓谷で、第二回を小糸川上流の白壁渓谷で行った。第三回は、三島湖上流の三間川渓谷を予定している。
第一回目の渓谷歩きは二十五人ほどが参加して、盛夏に涼を求めてジャブジャブ遊んでいる。
初めての参加者は、一様におそるおそる参加したが、身支度を整え足ごしらえをすませ、いざ水の中へ歩を進めると、たちまちヤミ付きとなって沢の中の実力を身に付ける。
房総の沢歩きは丹沢や秩父の沢と違い、滝が少ない、深い淵がない。一般道からもたやすく入渓できる。
半日から一日の行程で遡行が終了できる、などの利点がある。
さらに六月から八月にかけての沢登りのシーズンには、岸辺にイワタバコが紫の花をつけ、草アジサイやシモツケも花の色を濃くする。清水の中ではウグイ(ハヤ)が群れて遊び、沢ガニも夜のつまみにするには十分すぎるほど、素手でつかまえられる。
くもり空の下では、昼間からカジカガエルが涼やかな鳴き声を響かせる。こうしたありのままの自然の姿が、みんなを房総の沢のファンにさせている。
さて、今回の白壁渓谷だが、小糸川の上流が三島湖から豊明湖となり、源流部を私は「白壁湖」と呼んでいる。国道410号線の東側は清和県民の森の施設、西側の深く曲がりくねった渓がこの白壁渓谷だ。
渓の両側は30~50mの岸壁が連なり、泥岩層の岸壁が白くオーバーハング状に連なっているので、白壁渓谷と呼ぶことにした。両岸が切り立っているので、入渓ポイントは、清和県民の森の駐車場から有料老人ホームのサランポールの間の細道をたどって沢に下りる箇所のみ。これ以外にはない。
入渓地点よりやや下流に左岸から小沢が入ってきているが、二つの小滝が連続しているので、遊びを兼ねて入ってみることをお勧めする。
本流の上流へ向かって進むと何ヶ所か硫黄泉が湧き出している箇所がある。はるか頭上にコンクリート橋がかかっているが、これが410号路の車道である。
やがて“深み三米・注意せよ”の標識が左岸にある。大岩の岩場にぶつかるが、左岸側の岩に残置ロープがつけられているので、それを頼りに越えることが出来る。
この地点のやや上流は二岐になっているが、両沢とも砂防ダムが築かれていて、越えることが出来ない。ここでジャブジャブ・ハイキングはおしまい。右岸の階段状の細道を登ると、そこは県民の森の駐車場である。
(記 – ふわくHC鵜沢さん)
木更津駅西口から日東バスで東粟倉、そこから君津市民バスに乗り換えて、清和県民の森行き、木のふるさと館下車です。