今年の夏は、ここ数年来味わったことのない猛暑だったこともあって、房総の渓谷歩きが八回をこえた。
ふわくの仲間とは支組川と白壁渓谷を歩き、房総の風グループとは七里川と三間川上流を遡行した。
それに加え、中学校の同級生有志から「涼しい水辺の旅を」との要望が寄せられて三間川の下流(旧川から開墾場の滝まで)を案内した。
この同級生グループは、初心者だけに、川の中のジャブジャブ・ハイキングをことのほか気に入ってくれて、三段の滝(ドンドンの滝)を二度三度と登っては降りてを繰り返し、七十才に手が届こうとする者が“小学生”にかえって水遊びをした。
このコース最終点の開墾場の滝では、およそ十メートル上に見られる大穴に(大穴から滝が落ちている)興味が集中し、「この三間川の源流部を歩いてみて上野大穴からこの滝を眺めてみたい」との声に応えて、源流部に入ることを約束してしまった。
この後で木更津の鎌足公民館主催の“房総歩き隊”の常連とも三間川を歩いて、切り立った崖に咲くイワタバコやクサアジサイの花を何回も楽しんだ。支流のしたたり落ちる滝の下に繁茂しているミズ(ウワバミソウ)を採取してきて、千葉産の山草料理を味わった。
さて今年の夏は九月までもつれ込みそうなので、家族サービスに適した安全で楽しい渓谷歩きを紹介しましょう。
小糸川上流の三島湖の奥にある三間川の源流部分です。この渓谷は下流の旧川附近も、上流部分(開墾場の滝より上流)も両岸が三十メートル五十メートルと切り立っているので、入渓点の注意が一番肝心だ。
マイカーの場合は奥米林道経由がよいと思われる。三島湖のダム堤にある公衆トイレ(ここを集合地点にするとよい)の先の三島小学校入り口点を左折すると清和国民宿舎、そこから奥米林道が始まる。
急カーブや細いトンネルがあるので、対向車には注意したい。奥米青年館前を通り旧太郎から山太郎の山の間の小集落を過ぎると林道は三叉路に出る。
右の道は安房高山から清和県民の森へ続く。左の道は香木原バス停、鴨川有料道路へ通じている。
今回の入渓点はこの三叉路がポイントだ。車は右の道を百メートルほど進んだ左側小広場に五台ほどの駐車スペースがあるので、そこに置いてこよう。
三叉路を鴨川方面に三十メートルほど進むと、右側に簡易水道の揚水ポンプ小舎がある。ここからコンクリートの階段を降りると谷川に降りられる。
入渓点の下流側がトンネルになっているので気を付けて進むと、トンネル出口が二メートルの小滝となっている。ここから明るい渓谷歩きがスタートする。
すぐ川幅いっぱいに三十メートルの滑滝。正面の崖地で左に渓谷がカーブする。ここも同じような滑滝。滝の途中に子供が二三人入れるほどのポットホールがある。その下にも四十メートルほどの滑滝が続くので、十分水遊びができる。
この滑滝群から二キロほどで開墾場の滝の大穴(上の穴)にぶつかる。落石に注意しながら落口まで進んで滝下をのぞいてみよう。滝は下から眺めるものだということが実感できる。
- 開墾場の滝(大穴)人工的に作られた川廻しの滝で、比較的新しく作られたもののようです。
- 川廻し蛇行した河川を人工的に短絡させて農地に転用する工法。
- 絵に描いてみると右の図のような感じ。赤の三本線の部分にトンネルを掘って、このUの字の部分を農地として活用したようです。
このあたりはそこそこの急流で、トンネルの出口と入り口で高度差があったため、「滝」が出現したわけです。
記 – ふわくHC鵜沢さん